重機や建設機械の足回りの肝であるゴムクローラーの交換方法を、写真を交えながら解説していきます。機種や年式により、交換方法が違うケースもありますのでご注意ください。
※当店にてゴムクローラーをご購入いただいたお客様はお気軽にご連絡ください。
交換方法をお伝えいたします。

【必読】事故や怪我を起こさない為に
【安全上のご注意】

ゴムクローラーの交換作業には危険が伴う工程が含まれます。誤った手順は重大な事故につながる恐れがあるため、正しく作業を行ってください。

【仕様の確認】
交換方法は機種やモデルごとに異なります。あらかじめお手持ちの機種の仕様をご確認ください。

【対応工具の準備】
機種によっては、作業に専用の特殊工具が必要となる場合があります。

【ジャッキアップ時の安全確保】
本機を使用して車体を浮かせた場合は、不意の降下を防ぐため、必ず機体下に台座やジャッキを設置してください。また、作業は必ず2人以上で行い、互いに合図を送り合いながら安全を確保してください。

【誤作動への警戒】
安全装置を解除している間は、操作レバーに触れると機体が即座に動き出します。細心の注意を払ってください。

【自然降下への注意】
機種により、エンジン作動中であっても油圧の自然降下が発生する可能性があります。常に警戒を怠らないでください。

1.まずはニップルバルブを外してグリスの排出を行います

①まずは画像のようにジャッキアップを行います。
事故防止のため、必ず平坦で安定した場所で作業を行なってください。

②ニップルバルブをゆっくりと緩め、グリスを排出していきます。(この写真の例ですと年式の古い機械なのでボルトタイプ、チェックバルブですがニップルが一般的です)

大体の重機や建設機械では、トラックフレームにニップルバルブが設置されています。
ネジ式だけでなく蓋付きの場合もあります。
ニップルバルブ内部のグリスは非常に高圧になっている為、勢いよく外しますと急にグリスがあふれ出す危険性がございます。
ゆっくり丁寧に様子を見ながらニップルバルブを外す事を厳守してください。

③グリスを排出する事で、アイドラーが縮み、ゴムクローラーが写真のようにたるみます。

④ニップルバルブを完全に取り除きます。
取り除いたついでにパーツクリーナー等でよく洗浄して下さい。

綺麗になりました。

2.いよいよゴムクローラーを外します

①写真のように長めの鋼材・パイプ等ある程度の強度がある物を機体内側より外側に向けテコの原理で押し出してください。
その際、タオルやゴムパッドなどを重機側に敷くと傷や凹みを防ぐことが出来ます。

②外側に向けて力を入れることにより写真のように外してください。
ゴムクローラーをギコギコ動かすと外れやすくなるのはいいのですが巻き込み事故が起きたりしますので注意しながら作業してください。

ゴムクローラーがアイドラーから外れたら、同様にスプロケット側からも外します。


※ゴムクローラーはサイズにもよりますが、大変な重量物となります。大きなバールなどを使用しても外れない場合は、もう1台の油圧ショベルのバケットをゴムクローラーの縁に引っ掛けて外す・フォークリフトを使用するなどの方法があります。作業が難しい場合は無理せずお近くの業者さんにご相談ください。

※アイドラーが動かずゴムクローラーがたるまない場合は、無理に動かすと破損につながる場合がございます。
アイドラーからの油漏れなどで固着してしまっているケースなどがあり、無理せずお近くの業者さんにご相談ください。

3.ゴムクローラーが外れたら、足回りの点検と掃除をしましょう。

①まずはアイドラーを引っ張り、トラックフレームから外します。
写真に映っている丸い部分がアイドラーです。ゴムクローラーの張りを調整しています。

アイドラーを引っ張ります。かなり重いので、落として破損しないように気を付けてください。

②アイドラーの状態を確認してください。
歪み・欠け・破損・サビによる腐食・油漏れなどがないことを目視や実際に触って確認します。
万が一、不具合を発見した場合は一度公式LINEやお電話にてお問い合わせくださいませ。部品の手配が可能かどうかを確認いたします。

このアイドラーからは油漏れが確認できます。

③アイドラー・トラックフレーム・スプロケットなどの確認が終わったら、全体を水などで洗い流します。

トラックフレーム側のアイドラー接合部です。こちらもかなり汚れているので、忘れずに掃除しましょう。

4.新しいゴムクローラーを正しい向きでつけます。

①まずは先ほど外したアイドラーを逆手順で本体へ戻していきましょう。

①続いて片側のスプロケット(ギザ山がある方)に、芯金(リンク)を掛けます。また、ゴムクローラーには取り付け方向があります。進行方向(アイドラー側)に対してハの字(Vの字)になる向きで取り付けてください。パターンによっては異なる場合がありますので、ご不明な際はお問い合わせください。

②このままゴムクローラーをはめたいところですが、この高さのままですとかなり難しいです。機体を低くすることで、アイドラー側にもはめやすくなります。芯金(リンク)とトラックローラーが当たらないぐらいまで、注意して機体を下げてください。

③機体を下げたら、アイドラー側にも芯金(リンク)をはめます。

アイドラーばかりを注意していると、スプロケット側が外れることがあります。前後両方に気を配りながら作業してください。

③芯金(リンク)が完全にアイドラーとスプロケットにはまったことを確認し、最初に取り外したニップルバルブを取り付けます。
大事故の原因となってしまうため、必ずメーカー指定トルクを遵守して締め付けを行ってください。

④最後にグリスを注入します。
グリスを注入することにより、ゴムクローラーが張ります。

張り調整の一般的な参考値としてトラックローラーとゴムクローラーの接地面隙間はゴムクローラーの中心部で10mm~20mmの間くらいになるように調整します。
※ゴムクローラーの貼り具合は、現場やご使用の路面状況により適宜調整してください。

5.最後に

現場環境や使用頻度によりゴムクローラーは多少なりとも伸び縮みします。
定期的な点検を行う事でゴムクローラーの寿命が数か月、数年と変わりますので、ぜひ実施してみてください。

また、新品に交換してから数か月経った頃にゴムクローラーが馴染んできます。
その時に緩みなどが出るケースが多いので気を付けてみてください。

大事な事なのでもう一度。

【必読】事故や怪我を起こさない為に

【安全に関する重要事項】
ゴムクローラーの交換作業には危険を伴う工程があり、不適切な手順は重大な事故を招く恐れがあります。もしご不明点がありましたら、無理せずお近くの修理業者や弊社までご連絡ください。

【脱落防止の徹底】
取り付けが不完全な場合、走行中にクローラーが外れるなど、二次被害につながる危険性があります。

【仕様の確認】
交換手順は機種やモデルごとに異なります。必ずお手持ちの機械の仕様をご確認ください。

【専門業者への依頼】
作業に不慣れな方や十分な知識をお持ちでない方は、無理に自力で行わず、販売店やメーカー等の専門家へご相談ください。